🐶なんでうちの子って、外でしか排泄しないの?――日本犬に多い、その理由とは?

犬のマーキング

犬と暮らしている飼い主さんの中には、「うちの子、外でしか排泄してくれなくて…」という悩みを持っている方も少なくないはずです。
特に旅行や急な外出、雨や雪の日など、室内で排泄してくれれば助かる場面はたくさんありますよね。
それでも、頑なに外でしかトイレをしないわんちゃんは珍しくありません。

この行動は単なる「しつけ不足」や「頑固さ」ではなく、犬の本能・学習・環境要因が複雑に絡み合った結果です。
さらに言えば、柴犬・秋田犬などの日本犬にこの傾向が強いとされており、実際に日本犬を飼っている方なら「うちもそう!」と頷く方が多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、
「なんで外でしか排泄しない犬が多いのか?」
その原因・理由を解説します。
最後には、室内トイレに慣らすための実践的なステップもご紹介します。

目次

  1. 犬の排泄行動の基本
  2. 外排泄派になる要因
  3. 「外排泄派」が日本犬に多い理由
  4. 外排泄派のデメリット
  5. 室内トイレに慣らす方法
  6. まとめ

【犬の排泄行動の基本】

■巣を汚さない本能

犬は元々、「寝床を清潔に保つ」習性を持っています。
これは野生時代の名残で、巣穴を汚すと、そこから病気が蔓延したり、においで捕食者に見つかるリスクが高まるためです。
そのため、室内全体を「巣」と認識すると、室内での排泄を避けて、排泄は外で済ませようとする本能が働くのです。

【外排泄派になる要因】

■環境要因

トイレの設置場所が不適切

  • 人通りが多い場所
    犬は排泄時に「安心できる静かな環境」を好みます。
    リビングの真ん中や家族が頻繁に通る場所にトイレを置くと、落ち着いて排泄できず避けるようになります。
  • 音や振動がある場所
    洗濯機や掃除機の近く、ドアの開閉音が響く場所などは犬にとってストレス要因です。
    音に敏感な犬は「ここは安心できない」と学習し、排泄を拒むことがあります。
  • 視覚的な刺激
    窓際や外が見える場所だと、通行人や車に気を取られて集中できず、排泄をためらうケースもあります。

匂いによる誘発

  • 匂いの豊かさ
    外の地面には他犬の尿や自然の匂いがあり、嗅覚的に「ここはトイレ」と強く認識されます。
    室内はこの匂い刺激が乏しく、トイレスイッチが入りにくいのです。
  • マーキング本能
    特にオス犬は、「他犬の匂いに自分の匂いを重ねる」ことで安心感を得ます。
    室内ではその機会がないため、外で排泄したがる傾向が強まります。
  • 人工的な匂いへの違和感
    新品のペットシーツには独特の人工的な匂いがあり、嗅覚の鋭い犬は不快に感じることがあります。

■学習と習慣化

お散歩デビューで形成される習慣

初めての散歩で排泄を経験し、その経験を繰り返すと、犬の脳内で外=排泄場所という関連付けが形成されます。

飼い主の行動

  • 散歩中に排泄すると飼い主が「よくできたね!」と褒める → その行動が定着しやすい
  • 室内で排泄する(失敗する)と「叱られる」「嫌な顔をされる」 → 犬は「室内=ダメ」と学習。

「外で排泄すれば褒められる」「室内はダメ」という学習を積み重ねて、外で排泄する習慣が形成されやすくなります。

場所への依存性

犬は「場所と行動」を強く結びつける傾向があります。
例えば、「玄関を出る→歩く→匂いを嗅ぐ→排泄」という一連の流れがルーティンとして脳に刻まれることで、室内では排泄スイッチが入りにくくなるのです。

習慣の固定化と強化

習慣は「繰り返し+報酬」で強化されます。
散歩で排泄するたびに「すっきりする+褒められる+外の刺激が楽しい」という複数の報酬が得られるため、外排泄が定着します。
一方、室内排泄には「報酬」が少なく、むしろ叱られることが多いため、習慣化されにくいのです。

【「外排泄派」が日本犬に多い理由】

■清潔志向の強さ

柴犬や秋田犬などに代表される日本犬は「飼い主には忠実だが他者には警戒心が強い」「頑固で独立心が強い」といった性格が共通しています。
この気質は「自分のテリトリーを清潔に保ちたい」という行動にもつながり、室内トイレを嫌がる要因になります。

■環境へのこだわり

日本犬は「自分の好みの場所で排泄したい」という独立心が強く、外の環境を選びやすいとされています。
また、日本犬のような中頭種〜長頭種は比較的嗅覚が鋭いため、他犬の匂いや自然の匂いがある場所を「トイレスイッチ」として認識しやすいのです。

■飼育文化の影響

日本では「散歩=排泄」という文化が根強く、特に日本犬の飼い主は外排泄を習慣化させやすい傾向があります。
一度「外派トイレ」が定着すると、成犬になってから室内に切り替えるのは容易ではありません。

【外排泄派のデメリット】

■悪天候時や災害時に困難

  • 雨・雪・猛暑・極寒などの天候に左右されるため、犬も飼い主も負担が大きい。
  • 台風や地震などの災害時には散歩に出られず、排泄を我慢させることになり健康リスクが高まる。
  • 特に高齢犬や持病のある犬は、我慢による体調悪化が深刻になりやすい。

■長時間留守番で膀胱炎や便秘のリスク

  • 外でしか排泄できない犬は、飼い主が不在の間に排泄を我慢するしかない。
  • 長時間の我慢は膀胱炎・尿路感染症・結石のリスクを高める。
  • 便も我慢することで便秘や直腸への負担が増し、消化器系トラブルにつながる。
  • 精神的にも「排泄したいのにできない」ストレスが蓄積し、問題行動(吠え・破壊行動)に発展することもある。

■高齢犬になると我慢が難しくなる

  • シニア期になると膀胱や腸の機能が低下し、若い頃のように長時間我慢できなくなる。
  • 足腰が弱ると散歩に行くこと自体が負担になり、排泄のために外へ出ることが難しくなる。
  • 結果として「粗相が増える」「排泄を我慢して体調を崩す」など、生活の質が下がりやすい。

■飼い主の負担の増加

  • 外排泄派の犬は「決まった時間に外へ出ないと排泄できない」という場合も多いため、飼い主の生活が制約される。
  • 早朝や深夜でも散歩に行く必要があり、仕事や家庭の予定に影響する可能性も。
  • 悪天候や体調不良のときでも散歩に行かざるを得ず、飼い主の負担が大きい。
頭を抱える老女と犬

【室内トイレに慣らす方法】

ステップ1 環境づくり

  • 素材選び
    草マットや人工芝を使うと、外の地面に近い感触を再現できるため犬が安心しやすい。特に外派トイレの犬には効果的。
  • 場所選び
    リビングの真ん中や人通りの多い場所は避け、静かで落ち着けるスペースに設置。洗濯機やドアの近くなど音や振動がある場所も避ける。
  • トイレのサイズ
    犬の体格に合った広さを確保。小さすぎると失敗しやすく、大きめのトイレシートやトレーを用意すると安心。

ステップ2 匂いで誘導

  • 外で使ったシーツを活用
    散歩で排泄した後の尿のにおいのついたシーツを室内トイレに敷くことで、犬が「ここもトイレ」と認識しやすくなる。
  • 匂いのスイッチ効果
    犬は嗅覚で排泄場所を判断するため、匂いがあると「ここで排泄していいんだ」と理解しやすい。
  • 人工的な匂い対策
    新品のペットシーツの匂いが嫌がられる場合は、開封後は少し外へ置いてから室内に敷くと違和感が減る。

ステップ3 褒める習慣

  • タイミングが命
    排泄の直後に褒めることが重要。
    数秒遅れると、せっかく褒めても「何を褒められたのか」を犬に理解してもらえない。
  • ご褒美をプラス
    褒める+おやつや遊びを組み合わせると「室内トイレ=良いこと」と強く結びつく。
  • 失敗時の対応
    叱らず、静かに片付けることが大切。
    叱ると「排泄そのものが悪い」と誤解し、隠れて排泄するようになるリスクがある。

ステップ4 段階的移行

  • 外排泄後に室内トイレへ誘導
    排泄直後に再度排泄させるのではなく、「排泄行動の流れと室内トイレを関連付ける」ための練習。
  • ベランダや玄関からスタート
    外に近い場所にトイレを設置し、徐々に室内へ移動させるとスムーズ。
  • 成功体験を積み重ねる
    最初は偶然でも成功したら大げさに褒める。
    成功体験が増えるほど「室内でも排泄できる」と自信がつく。
  • 時間の工夫
    寝起きや食後など、排泄しやすいタイミングで室内トイレに誘導すると、成功率が高まる。

【まとめ】

犬が外でしか排泄しないのは、「習慣」「本能」「経験」を含んだ自然な行動です。
特に日本犬は清潔志向が強いので、どうしても外派トイレになりやすい傾向があります。

飼い主さんは、「問題」と捉えるのではなく、「学び直しが必要な行動」と理解してあげるのが大切です。
室内トイレの環境を整えて、成功したらしっかり褒めることで、少しずつ室内トイレに慣らしていきましょう。

災害や急な外出のときに備えて、室内トイレは“生活の保険”として身につけておくのがおすすめです。