🐱猫と人間、遺伝子レベルで90%も一緒だった!?

猫と人間。
一見するとまったく異なる存在ですが、実は「遺伝子レベルで約90%も共通している」といわれています。

2007年にイリノイ大学とミズーリ大学の共同研究によって、猫が持つ約2万個のタンパク質コード遺伝子のうち、約1万6000個が人間とほぼ同じ構造を持っていることが明らかになりました。

つまり、猫と人間は「生き物としての設計図」が非常に似ているんです。

🔍 どうしてそんなに似ている?進化のルーツをたどってみよう!

猫と人間がここまで遺伝的に近いのは、進化の歴史に理由があります。

猫は「食肉目」、人間は「霊長目」に属していますが、両者は共通の祖先(原始的な哺乳類)から約6500万年前に進化したとされています。
その後の長い進化の過程で、猫のゲノムは比較的保存されていて、人間と似た“設計図”が多く残っているのです。

このことから、猫は霊長類以外の哺乳類の中で、人間と最も遺伝子構造が近い動物のひとつであるといわれています。

🧠 脳のつくりも、実はよく似ている!?

遺伝子だけでなく、脳の構造にも共通点があります。
猫の脳は25〜30グラムと小さいですが、構造的には人間の脳とかなり似ているとされています。

猫の大脳皮質には約2.5〜3億個のニューロンがあり、人間の160〜260億個には及ばないものの、感覚処理に特化した構造を持っています。

また、猫の脳も人間のように脳表面には複雑な折りたたみ構造があり、限られた空間で神経細胞の密度を高めることで、情報処理の効率を高めているのです。

猫と人間の脳はサイズやニューロン数こそ違いますが、構造的な基本設計は驚くほど似ていることがわかっています。
こうした共通性が、猫が感情を持ち、記憶し、学習する能力を支えているのです。

🐾 猫の知性:科学が解き明かす3つの特徴

① 選択的記憶の天才

猫は「自分にとって意味のあること」を優先して覚える傾向があります。
これは“選択的記憶”と呼ばれていて、無駄を省く効率重視型の知性とも言えるのです。

たとえば、飼い主が何度呼んでも知らんぷりなのに、餌の袋を開ける音にはすぐ反応する…なんてこと、ありますよね。
これは気まぐれではなく、「重要な情報だけを選んで記憶・反応している」証拠なのです。

② 名前をちゃんと理解している

2019年、東京大学の研究チームが、猫が自分の名前を他の言葉と区別して認識していることを実験で証明しました。
さらに2022年には、同居する猫や人間の名前と顔の対応を学習していることも確認されています。

つまり、猫は「名前=自分」「名前=あの人(あの猫)」という関係性をちゃんと理解しているのですね。
ただし、呼ばれても来ないのは…そう、「気分次第」。そこがまた猫らしいところです。

③ 観察型の学習スタイル

犬が「協調型」であるのに対して、猫は「観察型」の学習スタイルを持っています。
人間の視線や指差しを理解し、行動を見て学ぶ“社会的学習”の能力があるのです。

これは「模倣学習」に近いとされていて、猫が人間の行動を観察し、必要に応じて自分の行動に取り入れることができることを示しています。
たとえば、ドアの開け方を見て覚える猫や、飼い主の生活リズムに合わせて行動する猫などがその一例です。

🐱さいごに

猫と人間は、見た目も性格も違うように見えて、実は「生き物としての根っこ」がとても似ている存在なのです。
だからこそ、猫は私たちのそばで、時に気まぐれに、時に深く寄り添ってくれるのかもしれません。