🐶犬は“夢を見る”──寝顔の奥にある、愛犬の心の世界

「うちの子、寝てるときに足をバタバタさせたり、クゥンって鳴いたりするけど…もしかして夢を見てる?」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?

犬が眠っているときに見せる不思議な動きや表情。
それは、ただの反射ではなく、夢を見ている証拠かもしれません

今回は、「犬は夢を見るのか?」というテーマを、脳科学・動物行動学・睡眠環境の観点から深掘りしてみましょう。
愛犬の寝顔の奥にある“心の動き”を知ることで、もっと深い絆が育めるかもしれません。


🧠犬は夢を見る?──科学的な根拠

結論から言うと、犬は夢を見る可能性が非常に高いと考えられています。

その根拠は、「レム睡眠(Rapid Eye Movement)」という脳が活発に働いている浅い眠りの状態にあります。
犬もこのレム睡眠中に、目が動いたり、手足がピクピクしたりする様子が観察されており、これは人間の夢見と酷似しています。

さらに、動物医療機関や行動学の研究では、犬の脳活動がレム睡眠中に活発化し、記憶の整理や感情の処理が行われていることが報告されています。



💤犬の睡眠構造と夢のタイミング

犬の睡眠は、人間と同じく以下の2つの段階に分かれています:

  • ノンレム睡眠:深い眠り。体の休息が中心
  • レム睡眠:浅い眠り。脳が活発に働き、夢を見るとされる

犬は人間よりもレム睡眠の出現頻度が高く、夢を見る時間が多いとされています。
特に子犬や若い犬は、脳の発達段階にあるため、レム睡眠の割合が高く、夢を見る頻度も多い傾向があります。


🐾犬はどんな夢を見るの?

では、犬はどんな夢を見ているのでしょうか?
これはまだ研究途上の分野ですが、多くの動物行動学者の見解によると、犬は日常の出来事や感情体験を夢として再現している可能性が高いとされています。

たとえば、こんな夢が想像されています:

  • 飼い主と散歩する夢
  • お気に入りのおもちゃで遊ぶ夢
  • 美味しいおやつを食べる夢
  • 他の犬とじゃれ合う夢
  • 苦手な音や動物に追われる悪夢

夢の中でも、犬は感情を再体験し、記憶を整理しているのです。
だからこそ、寝言を言ったり、足をバタつかせたりする姿は、夢の中で何かを感じている証なのかもしれません。



🔍夢を見ているサインとは?

実際に犬が夢を見ているとき、どんな行動を示すのでしょうか?
よく見られるサインは以下の通りです:

  • 手足がピクピク動く(まるで走っているように)
  • クゥン、ワンといった小さな声を出す
  • まぶたの下で目が動く(レム睡眠の証拠)
  • 呼吸が一時的に早くなる
  • しっぽが微かに動く

これらの動きが見られるときは、夢を見ている可能性が高いと考えられています。
最初は驚くかもしれませんが、多くの場合は自然な現象です。


🧬夢の役割──記憶・感情・学習

犬の夢には、単なる幻想ではない、脳の大切な働きが関係しています。
以下の3つの役割が考えられています:


① 記憶の整理と定着

夢の中で、日中の出来事や経験を再現することで、記憶を脳に定着させていると考えられています。
これは人間と同じ仕組みで、特に子犬や学習期の犬に顕著です。

② 感情の処理

嬉しかったことや、怖かったことなど、感情的な体験を夢の中で再処理する役割もあるとされています。
悪夢を見る犬もおり、その際は驚いて目覚めることもあります。

③ 学習と脳の発達

子犬ほどレム睡眠の割合が多く、夢を見る頻度も高い傾向にあります。
これは脳の発達や学習のために夢が重要な役割を果たしていることを示しています。



🛏犬の睡眠環境と夢の質

犬が良い夢を見るためには、質の高い睡眠環境が欠かせません。
以下のポイントに気をつけることで、夢の時間をより快適にしてあげることができます。


🔇音への配慮

  • テレビの音量
  • 隣室の生活音
  • 扉の開閉音
    → 夜は静かな部屋へ寝床を移すのがおすすめ


💡照明の工夫

  • 白い光(LED)は刺激が強い
  • 暖色系の照明に変更
    → 調光ライトで落ち着いた空間を作る0


🌡室温管理

  • 犬は汗腺が少なく、体温調節が苦手
  • 夏はエアコン、冬は暖かい寝床を用意
    → 上限:約29.4度/下限:約7度が目安


🍽寝る前の刺激を避ける

  • 激しい遊びや大量の食事はNG
    → 寝る1時間前から落ち着いた環境に切り替える


🧑‍🤝‍🧑飼い主ができること

愛犬が夢を見ている最中は、無理に起こさないことが原則です。
揺さぶったりすると、混乱や不安を招くおそれがあります。

ただし、苦しそうにうなされていたり、呼吸が極端に乱れている場合は、優しく名前を呼んで落ち着かせるようにしましょう。
驚かせないよう、静かに声をかけるのがコツです。

また、寝る前のルーティンを整えることで、入眠がスムーズになり、夢の質も向上します。

おすすめのルーティン:

  1. 寝る時間になったら寝室へ
  2. ライトを落とす
  3. 背中を撫でる
  4. リラックスしたら電気を消す



📝まとめ|夢の中でも、犬はあなたと過ごしているかも

犬も夢を見る──これは科学的にも観察的にも、ほぼ間違いない事実といえるでしょう。
その夢の中で、もしかしたらあなたと公園を走り回っていたり、大好きなおもちゃをくわえて帰ってきたりしているのかもしれません。

夢は、犬にとって記憶と感情を整理する大切な時間
そして、飼い主との絆を再確認する“心の旅”でもあります。

安心した様子ですやすや眠る愛犬の寝顔。
夢の中でも、あなたのそばがいちばん安心できる場所なのかもしれません。